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S邸 完成しました

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                       設計 (株)住まいの松木一級建築士設計事務所

                       施工 株式会社住まいの松木

                       完成 平成25年

昨年6月に棟上げ式を挙げたS邸、着工から1年4ヶ月を経て完成しました。

今から門や塀の工事を予定しています。

 外観

東側から見たところです。 起こり屋根の軒反り屋根です。

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南東から西方向を見たところです。東端から玄関までの土庇は米松の4寸5分角柱、桁も米松で長さは8.5間あります。建物全長は15.5間になります。壁は漆喰仕上げ。アルミの戸袋を木の戸袋で覆いました。

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玄関から東方向を見ています。玄間の間口は10.5尺あり、竪格子戸を4本引き違いで計画しました。

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玄間から西方向を見ています。上の写真と合わせて見てみると、家の長さが分かります。メートルに換算すると、ほぼ28メートルあります。
 
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南東の角から北方向を見たところです。屋根の反りに合った茅負い、裏甲の曲線が美しいです。

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南西の角から見たところです。家の迫力を増す狙いで、手前内縁の桁高さは3メートル、1F本館桁高さは4.75メートルあり、一般的な平屋桁高さからみると1.75メートルほど高く設計されています。一番高い軒は2Fの軒です。  玄関降ろし屋根のケラバは箕甲屋根が付いています。

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屋根のおこりの様子がよく分かります。 化粧垂木と屋根勾配との差が良くわかります。

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南側の屋根全体の様子が分かる写真です。手前の建物は解体され造園予定です。

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西側から見たところです。屋根のおこりと反りの曲線がきれいです。今回は、初歩的なものなのですが、昔から神業とも言われる大工の規矩術(さしがね術)を要し、化粧垂木,野垂木共、反り先最後の1点になるまで勾配を変えることなく完璧な仕事から生まれる屋根の美しさです。反りだしは、桁芯より垂木1本手前から反りだしています。

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北西の位置から見たところです。

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北東の角から見たところです。出し桁の降ろし屋根のケラバは箕甲屋根を付けました。

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 上の写真と同じところを写しています。

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建物の裏で、写真中央の凹の場所が玄関を入ってフィックス越しに見えるところになります。坪庭を計画しています。

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上の写真の屋根を写したところです。

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 ここに坪庭が造られます。踏み石が据付けられれています。

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屋根を繋げなかったのは、坪庭の植物に雨、露があたるように計画をした為です。

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土間を外から見たところです。丸太仕事がしてあります。写真では分かりにくいですが、土間も壁と屋根の間に丸太が使われています。

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上の写真の反対側です。坪庭は4方から眺めることができるように計画されていて、土間以外の3方は廊下とその先にある浴室です。坪庭を囲む4方すべてに、丸太仕事がしてあります。
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北東の角から建物を見たところです。

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内部・玄関

玄関ホールより玄関を見たところです。10.5尺の間口にヒバ材の竪格子の4本引き違い戸を配しました。土間は300㎜×600㎜の黒御影石で仕上げ、壁は京壁塗りです。

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玄関ホール正面です。障子の下はフィックスになっていて、坪庭が楽しめるよう設計しました。障子のところには引き違いの鋼製建具もあり、風通しのことも考慮しました。左側のRの下がり壁の先は、土間になっていて、坪庭に出ることができます。

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 玄関右側を写しています。中央のRの下がり壁の先はプライベートゾーンで台所や居間があります。その右の襖は下足室の入り口です。 DSC03685.JPG 

 

 上の写真と反対の玄間左側になります。式台にはけやきを使い、障子を設けることにより、採光と風通しを確保することができます。

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けやきの木目がきれいです。

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段上から框,透かし目地,式台,蹴込材と重なっています。蹴込材に靴が当たらないように御影石で一段設けました。
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上の写真と同じ箇所を角度を変えて写しています。廊下の奥、突き当たりに老人室があり、廊下の右側、障子の枠が黒く塗られているところは2間続きの和室になります。

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玄間ホールより玄間西側を見たところです。

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坪庭に出る土間全体を写しています。式台はけやき、土間は黒御影石で、共に玄間と同じ仕様です。正面の下地窓がアクセントになっています。
 
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下地窓には女竹と藤蔓(ふじつる)を用いています。女竹を壁にはめ込み、藤蔓を絡めました。大工職人による手造りです。写真では見にくいですが、下地窓には両開きの障子が付いています。余談ですが下地窓の呼び方の由来は、昔の工法の土壁の下地からきていて、土壁の一部に土を塗らないで、そこを窓とし、下地越しに月や景色を眺めたのでこの呼び方があると聞きました。

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 現在すでに造園業者さんが施工を始めました。私も楽しみにしています。

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玄間を入って右側のR壁のところがリビングに通じる廊下です。

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下足室

下足室には3ヶ所の出入り口があります。襖と竪格子の空戸です。空戸は吊り戸になっているので、足元の邪魔になりません。その先の襖を開けると和室の居間に直接入ることができます。

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下足室から玄関を見たところです。

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 下足室の中の様子です。下足室なので収納力を増すため、壁全体が棚でもいいのでは、という考えもあったのですが、空戸越しに中が見えるので、きちっとした玄間収納で設計しました。天板は栂の無垢材でウレタンクリアー仕上げ、引き戸は米松の板目で考えました。

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反対側から見たところです。こういった部屋があると玄間が容易に片付けられます。

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和室の居間への出入り口です。

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 座敷

2間続きの和室の上座敷で9畳あり、本格的な書院造りになっています。本床は1.5間あり、畳床としました。左手に出書院、床脇には天袋、地袋、違い棚を配しました。天袋の引き違い戸は金箔貼でちょっとしたアクセントになっています。床柱は特別な柱は使わず、桧の4寸角,割り物,4面無節,2面柾目,背割れはもちろんありません。他の和室の柱は4面無節とまではいきませんが、すべて割り物で背割れはありません。大面が柾目になるように配置するのに苦労しました。

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床脇を見たところです。 

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 床框、落とし掛けはケヤキです。

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 座敷和室の襖,障子はすべてカシュー塗りで仕上げました。

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 天井の高さが3メートルあるので、欄間の高さを60センチにしました。

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 和室より坪庭方向を見たところです。

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老人室

玄間を入って左側の廊下の突き当たりに老人室があります。

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 居室部分は板畳と畳を合わせて8畳強あります。

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 居室から続く収納部分とトイレ、洗面(右側の襖に隠れています)です。

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居間、食堂

 下足室から直接入れる和室の居間です。

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 この部屋には神棚、仏間があります。

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上の和室の居間とバリアフリーでつながっているフローリングのリビングとその奥(写真左)のダイニング。化粧梁がアクセントになっています。照明は間接照明で設計しました。収納カウンターの間に見える格子の中にはエアコンの室内機が入っています。

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 居間横和室から上の写真と同じ箇所を写しています。

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台所からダイニング(手前)とリビングを見たところです。左側壁面全部が収納カウンターになっています。天板は栂の無垢材、扉は開き戸で銘木突き板です。ダイニングとリビングの間仕切りとして銘木の突き板フラッシュ戸が4本あり、写真右側の壁に引き込まれています。

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 右側の襖は壁に引き込まれ、和室の居間に続きます。

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 リビングから玄間方向を見たところです 。 

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 逆に玄間からリビング方向を見たところです。階段があるのが分かります。

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施主のS様が「家を建てます」と仰ってから、計画、設計、施工と2年近く経ってしまいました。まだこれから門や塀など大事な仕事が残っていますが、とりあえず今は、住宅が無事に引き渡せた安堵感と寂しい気持ちが入り混じった、うまく表現できませんが、そんな心境です。
S様は私の意向を理解してくださり、設計、デザイン、仕様等かなり思い通りにさせてくださいました。私も今まで培ってきた知識や知恵、大工としての経験を駆使し、取り組ませていただきました。結果自身では満足のゆく家に仕上がりました。後はS様と家族の皆様が快適に過ごしていただけたら言うことはありません。山梨ではなかなかこれほどの住宅に挑戦できる機会は少なく施主様には、大変感謝しております。
 
 

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